チャドで働く国連機関契約職員の日記

チャドの田舎で国連機関の期間契約職員として働くことになった日本人の日記です。ブログでの記述は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません

初めての会議に参加

到着2日目。いまだにホテルで隔離生活が続いているものの、マネージャーにお願いして、まだ仕事の事よくわからないけれど、関係するような会議があればオンラインで参加させてほしいと依頼をしたら、事務所全員のミーティングにリモートで参加することになった。

特に言われていなかったけれど、まあ新人紹介というのが一つのトピックで、きっとそこで自己紹介をすることになるんだろうと推測して、

・これまで20年間、基本的にはプライベートセクターで仕事をしてきました

・その中では、途上国向けの仕事も多くしてきて、日本政府や国際機関とも一緒にプロジェクトを作ってきたことがあります

・今回のポジションでも、そうした過去の経験を活かしたいと思いますが、企業の経営については一通りこなしてきたので、何かしらのゴールを設定して、それを達成するということについては、特に分野問わず、皆さんの助けになりたいと思っています

・でもフランス語は苦手で、少しキャッチアップするのに時間がかかると思うし、そもそも今回のような仕事は初めてなので、皆さんに助けてもらえると嬉しいです

というようなことを言おうとした。悪くない。

で、会議が始まると、事務所の経費使用状況の話。そうか、今日は普通の会議に僕を参加させてくれているだけだから、自己紹介はないか、と軽く自意識過剰気味だったことを恥ずかしく思う反面、リモートで顔や反応が見えない中での自己紹介をしなくなったので、少しほっとした。

それがいけなかった。

2つ目のトピックで、新人紹介ということで、僕が自己紹介をする番になった。その時にはすっかり油断していたので、準備していたことも忘れて、

・日本から来ました

・昨日到着して、今は7日間の隔離期間中です

・隔離期間が終わって、皆さんに早く会えるのを楽しみにしています

で終わってしまった。

外国語での自己紹介なんて、これまで100回以上こなしてきて余裕だったのに、テンパってしまったのに軽くショックを受ける。まあでも、実際に事務所にあったときに紹介すればいいや、と考え直す。

ところで会議に新参者として参加したわけだけれども、前職で、他の会社と、自社を代表して参加するときと比べて、明らかに緊張した。もちろん、初めての相手ということもあるけれど、それだけじゃない気がしたので少し考えてみた。

おそらく一番の違いは、対等さということだと思う。今回は、新しい組織の一部で、僕は新参者で、マネージャーは上で僕は下、ということで、どうしても、下から上を見上げる形になる。で、さらに、ちゃんとしないといけないと思うようになり、それに、フランス語が苦手というのが加わり、かなり精神的に委縮していたように思う。

なので、この自己紹介の後は、あたかも自分は会社の代表で、個々の会議の場に、一緒に仕事をする会社の代表同士が集まっている、というメンタルモデルで取り組んだら、他に何も変えてないのに、だいぶ、気が楽になった。対等さ、ということも大きいかもしれないけれど、やはり、慣れたメンタルモデルを当てはめる、というのが大きいような気がする。これなら今後は、落ち着いてやれそう、と思えたのが、今日の収穫。

(写真は隔離されているホテルの自室からの眺め。隔離期間中だけれども、ホテルの中は自由に動けるので、運動は気持ちよくできます。まだしてないけれど)
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