チャドで働く国連機関契約職員の日記

チャドの田舎で国連機関の期間契約職員として働くことになった日本人の日記です。ブログでの記述は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません

チャドの洗礼

毎日書く、といいながら早速3日くらい間隔があいてしまった。

原因は、この3日間、食あたりでベッドから離れられなかったから。

何が起きたのか、将来のために(なるかは不明だけれど)書いておこうと思う。

8月12日(木)の夕食を、同じホテルに泊まっていた同僚とすることになった。このホテルは、昼食・夕食を取るレストランが屋外にしかない。その場所はプールサイドで、レストランのテーブルや食器はキレイめであり、特段の問題は無い。

ただ、今、チャドは雨季。雨季になると、大量の虫が羽化するので、特に夜になると、明かりには大量の虫がたかる。屋外のレストランは、当然、照明が食事をするところにもついているので、そこに大量に虫がたかる。そして、運が悪いことに、今回、僕が座った場所は、ほぼ真上にランプがあり、そこからものすごく頻繁に、虫が落ちてくる。

今回僕が頼んだのは、ベジタリアンピザ。チャドに来て間もないので、生野菜は避けたいところだし、肉・魚よりも火が通った野菜のピザならまず問題ないだろうと判断。そのピザの上に、ぽたぽたと虫が落ちてきて、歩き回る。

もし日本だったら、そんなピザはすぐに交換してくれるか、席を変われると思うのだけれど、ここはチャド。虫が付いたくらいで食べられないと言ったら何にも食べられない。それを適当によけて食べるのが当たり前。席も、どこに行っても大差はない。

ということで、同僚のフランス語の話に必死についていこうとしながら、同時に、虫をよけながらどうにかピザを完食。その日の夜、お腹を下して、朝を迎える。

朝になると、悪いものを出し切ったのか体調が復活し(たような気がして)、何事もなかったかのように、縄跳びなぞをする余裕もあった。ただ朝食を食べると、やたら膨満感を感じる。その後、入国時に預けていたパスポートを引き取りに警察署に行って手続きをする。特にこの時点では体調に問題なし。ただ、のどが渇き気味だったし、ホテルで水を買うのはやたら高いので、警察署からの帰りに500ml入りのペットボトルを1ダースまとめ買い(ちなみにこれで、3700CFA(780円くらい))してホテルに帰還。

その後、少し気分が悪くなったのでお昼は、日本から持ってきたフリーズドライの野菜スープを飲むことにする。

なぜか、野菜スープがトリガーになったのか、その後、強烈に腹を下し続ける。よくわからないけれども、おそらく昨日の夜の腹下しは、単なる食べ過ぎで、今起きているこの腹下しは、いわゆる食中毒のそれ。なぜなら、腹を下すのと同時に、熱も出てきたから。熱と言っても37.6度程度なのだけれど、平熱が35度台の自分としては、十分高熱である。あと、朝に縄跳びをしたこともあるだろうけれど、両ふくらはぎが異常に痛い。

ということでベッドにもぐりこんで、水と整腸剤を飲んだけれども一向に良くなる気がしない。というか水を飲んでもすぐに出てしまって、全くお話にならない。そこで、日本から持ってきたORS(経口補水液)のパウダーを、先ほど大量に購入したペットボトルの水に入れて飲むと、ものすごく、落ちつく。生き返った、、、という感じがする。途上国に出張・赴任する人は、絶対にORSを持って行った方がいい。腹を下したときに、ただの水よりもはるかに回復が早い気がする(というか、ただの水はそのうち身体が受け付けなくなる)。

今回僕が持ってきているのは、こちら。

ただ実際には、すぐには回復することは無く、その後、金・土・日とずっと、ORS入りの水を飲み、朝食はほんの少しだけ恐る恐るパンとフルーツとヨーグルトを食べる、という生活が続く。

すこーしずつ、お腹の調子が回復した結果、月曜日の朝には、どうにか体温が36度台後半に落ち着く。まだ平熱からするとずいぶん高い水準なのだけれど、とりあえず安定的に37度を下回るようになったので、一安心する。お腹の調子も、だいぶ落ち着いてきた。

そろそろ、まともに栄養を取らないとまずそうだし、お腹も落ち着いてきているし、ということで、月曜日のお昼は、レストランで十分に火を通した肉の串刺しを食べることに。84時間ぶりのまともな動物性たんぱく質は、とてつもなく美味で、少しでも消化を良くするためによく噛みながらではあるけれど、完食。お腹を壊すかも(壊れても構わん)と思いながら食べたものの、今、食後4時間ほど経過時点では、何ともない。何よりも、この3日間抜け殻のようになっていた身体に活力が出てきた気がする。

このままチャドの洗礼から抜け出せるといいのだけれど。