チャドで働く国連機関契約職員の日記

チャドの田舎で国連機関の期間契約職員として働くことになった日本人の日記です。ブログでの記述は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません

国連機関の僻地における休日の過ごし方

国連機関職員として現場に入っていると、緊急性が高いこともあって、業務において定時という概念はあってないようなものだし、平日・休日の区別もないことが頻繁にある。

とはいえ、そういう中でも土日は平日と比べれば時間ができることが多い(少なくとも、緊急の用事がない限り、打ち合わせが入ることは少ない)。なので、平日とは違う時間の使い方ができる。

休日に何ができるかは、その現場の状況による。首都であれば、アフリカであっても一通りのものはそろっているし、地方都市であれば、首都ほどではないにせよ、市場に買い物に行くというようなことができるし、休日にまとめて買い出しをすることがルーティンにもなる。

そして僕のように、治安状況のよろしくない場所にいる場合もある。僕のいるところは、基本的には与えられた居住区の外には出ることは(車に乗らなければ)許されていないし、外に出て村にいっても、何があるというわけでもない。ということで、基本的には、休日は居住区に閉じこもることになる。

そうした中で、具体的に閉じこもって何をしているのかというのを紹介したいと思う。基本的に居場所も与えられている環境もみんな同じなので、以下の例は僕のケースだけれど、他の人も大なり小なり似たものになると思う。

1.仕事

 残念ながら、というべきか、平日にやるべきことは大抵終わりきらないので、休日に持ち込む。というか、平日は打ち合わせやら緊急の要件などがどうしても入ってくるので、休日にその分が回ってくる。打ち合わせが入ってこないし、せっつかれることも休日は基本的にはないので、じっくりと思案して取り組みたい仕事は休日に回ることが多い。たまに、内部の打ち合わせを休日に入れてくる同僚・上司がいるけれど、大いに不評なので、このブログの読者におかれてはぜひ避けていただきたい。

2.勉強・研修

 国連機関は研修がしっかりしていて、今は特に、オンラインで学べる研修が多い。そして、人事評価においても自己啓発活動は加味されるし、将来的につきたいポジションのために必要となる研修も多いので、必然的に、やらざるを得ない。そして、平日にそういう時間はなかなか取れないので、休日にやることになる。ちなみに、国連で仕事をしていくうえで語学は継続的に研鑽をすることが推奨されているので、僕も直接的に仕事に関連する研修以外に、スカイプでのフランス語の講座をとっている。自己紹介で、チャドに住んでます、というと、「え?何?」という反応が多い。チャド、という言葉が聞こえたとしても、日本人が住んでいる場所としておよそあり得ないので、脳が反応しないのだと思う。

3.YouTube、ネットサーフィン等々

 21世紀バンザイ、と叫びたくなるのがこれ。外界と繋がれる唯一の窓口といった感じ。これでいくら部屋に閉じこもっていても、何十時間でも楽しめる。YouTubeチャネルの登録数がうなぎ上りになってしまうが、まあしょうがない。

4.スポーツ

 これは勤務地によると思うけれども、僕のいるところには、小さなジム部屋があるので、そこで運動をする。平日もできるけれど、中々安定して時間が取れないから、休日になることが多い。いま個人的に熱いのは卓球。カメルーン人の同僚になかなか勝てないのだけれど、彼曰く、我がオフィスNo2のコンゴ人はさらに強いという。

 あとは居住区の中の歩道を、ぐるぐる走る。

5.寝る

 実はこれが一番大事だと思う。平日は、環境的にも仕事の量・内容的にもそれなりに大変なので、休日は何もせず、何も考えず、グータラと寝る時間を確保するのがいいのかもしれない。実際、上に書いたようなことをやっていても、ふと眠くなることがあって、そういう時は、身体からのシグナルだと思って、寝ることにしている。

(ちなみに平日でも、体力を温存できるときにはしておくべきだと考えているので、昼休みはさっさと食事を済ませて自室で昼寝をするようにしている)

 

別の記事にも書いた通り、国連の現場で仕事を続けるうえで、日々の仕事の緊急度の高さとは逆に、キャリアとしては、燃え尽きずに、生き残るためのキャパを確保することがすごく大事。なので、休日は、若干の罪悪感が残るくらいグータラしたほうがいいと考えている。そういう意味では、自由に外出出来てしまう大都市よりも、出たくても出られない僻地のほうが、グータラすることに対する罪悪感は小さい、のかもしれない。