チャドで働く国連機関契約職員の日記

チャドの田舎で国連機関の期間契約職員として働くことになった日本人の日記です。ブログでの記述は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません

ンジャメナ到着

午前2時40分にンジャメナに到着。タラップを降りると、意外と湿っているけれど、意外と暑くもない。今回のフライトは、イスタンブールキンシャサンジャメナイスタンブール、というフライトだったのだけれども、ンジャメナで降機したのは20名くらい。

このブログは、チャドに来る人のための情報という意味もあるので、入国までに何が起こるのかを書いておこうと思う。コロナ禍でオペレーションがだいぶ変わっている気がするし、コロナ禍が終わる前にチャドに来ようという人が一体どれだけいるかは不明だけれど。

  1. 空港ターミナルに入る前に、農薬散布スプレーのようなものを背負った人に、プシューと薬品をかけられる。田んぼの虫になった気分を味わえる。これはコロナ禍のためなのか、それとも一般的に、外国からの害虫を防ぐためのものなのかは不明(コロナ対策だとしたらあまり意味が無いと思うから)
  2. ターミナルには、パスポートと、日本で受けたPCR検査結果を見せて入る。
  3. ターミナルに入ると、まずはPCR検査費用を支払う。20000CFA(約4000円)。僕もそうだけれど、外国人は普通はCFAなんて持っていないので、ドルでもユーロでも支払い可。僕はドルで40ドルを支払った。
  4. 領収書をもって、すぐ近くのPCR検査ブースに行くと、鼻に綿棒を突っ込まれる。鼻に綿棒を突っ込まれるのは、これまでに日本で3本突っ込まれた経験があって今回が4本目だけど、その中でも1,2を争うくらいの軽い感じなのが良い。ブースの外で10分ほど待つと、検査室から手招きをされて、検査結果が書かれた紙をもらえる。
  5. 入国審査。パスポートと、ビザが無い場合は招聘状を渡す。
  6. ビザ発行手続き。パスポートと招聘状をもって、入国審査ブースのすぐ後ろにある警察ブースに入るよう指示される。夜中のせいか、とってもやる気のなさそうな警察官(だと思う。POLICEって書いてあるパーカーを着てたから)にパスポートと招聘状を渡すと、何やら台帳にいろいろ書き込んだのち、SAUF CONDUITという紙が返ってくる。パスポートは明日ビザが出来て取りに来たときに渡すから、それまではSAUF CONDUITを使え、と言われる。一抹の不安を覚えたけど、眠そうな警察官を相手にいろいろ聞いてもあまりいいことは無い気がするので、おとなしく警察ブースを出る
  7. ターミナルに入るときに渡された、滞在中の連絡先を記載するフォーマットに記入して、警察ブースのすぐ外にあるCOVID Information Centre(という感じのところ)に提出すると、入国審査は一通り終了
  8. ターンテーブルで荷物を受け取る。ンジャメナでロストをして、荷物が届いたら空港に取りに来るなんていうことは避けたかったので、無事荷物が届いていることに大きく胸をなでおろす(これでとりあえず味噌汁が飲める!)。西・中央アフリカあるあるで、荷物を持つぞ、カートで運んでやるぞ、などなど、とっても親切な人々がたくさん寄ってくるので、秒で丁重にお断りをする。X線検査ブースを出て、空港の外へ
  9. 空港を出てしばらくは、迎えの人も入れないらしいので、迎えの人が来ると言っても、すぐには会えない。不安になりながらも、道なりに1分くらい進むと、会える
  10. 迎えの人と会うくらいの場所で両替商が待っていて、ユーロやドルから現地通貨にここで替えることができる。1ドル=550CFA。いま泊まっているホテルでも全く同じレートなので、特にすごく不利ということは無さそう。

こうして無事に迎えの人と会えたので(所属する組織の看板を持って、僕の名前を言っていたから本物だと認識)、ホテルに向かう。迎えの人から、ホテルはどこ?と聞かれたけれど、僕としては、ホテルのアレンジと迎えのアレンジはセットだと思ってたから、ホテル名を聞いてなかった。

ただ、いつも新しく赴任する人間が泊るホテルがいくつかあるらしいのでそこに行ってみようということになり、いま泊っているホテルIrrisorに到着。着いてみると、予約が見つからない。きっと他のホテルを予約してあるだろうから、他のホテルに行くか、とドライバーの方に言ってみたものの、ここにいつも泊ってるから問題ないよ、とのこと。まあ泊れるだろうけど、そうしたら元々とってあるホテルはキャンセルしないといけないよね、、、と思ったものの、もう午前4時頃で疲れてるし眠いので、まあいいや、だめなら1泊分キャンセル料でもなんでもいいから払ってホテル代えればいい、ということで、泊ることに決定。

これはフランス系ホテルグループのAccorの傘下で、受付の作りも部屋の作りも、他の国にもあるIbisとまったく変わらない。目隠しをされて、日本からンジャメナのIrrisorの部屋に放り込まれて、はい、モロッコカサブランカのIbisに着きましたよ、と言われても、まず気が付かない。世界中どこでもマクドナルドに行けば一定の品質のハンバーガーが食べられるのと同じで、大いに安心する。部屋は、とてつもなくクーラーが効いていて寒いけれど、これもどこのIbisでも同じであり、妙に安心感がある。

ということで、全くチャドらしさを感じない到着初日。なお7日間は隔離期間で外出不可だから、チャドらしさを感じるのは、少し先ということになりそう。写真は、ホテルのロビー。アフリカのど真ん中のンジャメナというイメージからは相当遠いと思う(そもそも、ンジャメナと聞いて、何のイメージも湧かないのが普通という気もするけれど) 

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