チャドで働く国連機関契約職員の日記

チャドの田舎で国連機関の期間契約職員として働くことになった日本人の日記です。ブログでの記述は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません

チャドの僻地で入手できるビールについて

いま生活している場所は治安上の問題で、外出はできない。とはいえ、職場の車でドライバーを付ければ、村の売店で、水を買うためなどのために、外出をすることはできる。

先日、ビールが手に入るということを知ったので、村での水の買い出しついでに、チャド産のビール、ということで買ってきた。

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チャド産のビール

GALAとBeaufortという銘柄で、いずれも、チャドの首都ンジャメナにあるLes Brasseries du Tchadという会社が作ってるらしい。左側のGALAのラベルにはEXPORT BEERの文字が入っているけれど、少なくとも、僕が入手したのはチャド国内。BIERE ORIGINALE(オリジナルビール)とは、ORIGINALEのGALAであって、まがい物ではない、ということを主張したいのだろう。GALAのまがい物があれば、それはそれで飲んでみたい。

味は、ラベルに偽りなしで、確かに軽い。コク、みたいなものはつゆほどもない。けれども、いまだに日中の外気温が30度を超える環境なので、冷えた炭酸アルコール飲料というだけで、非日常的な幸せとちょっとした背徳感を感じる。

首都のンジャメナからここまで、少なくとも最後の50㎞は未舗装路の砂漠・サバンナ地帯なのに、とんでもなく重いであろう瓶ビールを輸送するサプライチェーンを構築しているLes Brasseries du Tchadはすごい。

ビジネス的にペイするのか気になるところだけれども、当地の村の住民が大量にビールを消費するとは考えずらい。まず間違いなく、当地で仕事をしている、人道支援団体スタッフ向けのビジネスだろう。電力インフラすら整っていない当地なので、日常的な楽しみの大半は享受できない環境下で働いている人間としては、そりゃ買うだろう、というのはよくわかる。

ということでビールが手に入るのはとてもありがたいものの、仕事と、家にこもって本を読んだりYouTubeを見るくらいのことしかできず、仕事もストレスがたまることが多いので、油断すると簡単に酒におぼれる危険性もあり。そもそも、こういう環境だと、冷えたコーラ(のようなもの)だけでも、心からの満足感を得られるので、ビールは、特別な仕事やイベントが終わった時の自分へのご褒美とするのにとどめておく予定。