チャドで働く国連機関契約職員の日記

チャドの田舎で国連機関の期間契約職員として働くことになった日本人の日記です。ブログでの記述は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません

ブリーフィングと愛のムチ

今週の仕事の一つが、お偉方向けのブリーフィング資料を作るという仕事。以前勤めていた組織ではしょっちゅうあったのだけれど、もう10年以上ぶり。

お偉方が本部から首都の事務所に来るらしく、僕の事務所担当地域についての状況説明資料を作るようにとの、リモートにいる上司からの指令。メールで指示が来たのが火曜日の10時で、締め切りは明朝。打ち合わせに参加していたこともあって僕がそのメールを見たのは火曜日の正午近く。あと半日(+夜?)しかない。

状況説明資料には、当地の事業環境、目標と戦略、活動内容の主要な数字・統計情報、資金調達と使用の状況、優先事項、他組織とのコーディネーションの仕組み、長期的な見通し、などなどを盛り込んで、全体で3ページ以内に収めるべし。Aさん、Bさん、Cさん、、、に聞けばわかるから、と。

「等々って言われても、何があれば目的が達成されるのかわからないんですけど」、「AさんもBさんもCさん、、、も休暇とか出張で全然いないんですけど」、「僕、今日そもそも打ち合わせが入ってて時間がないんですけど」「見るべき書類を教えてくれたらそれをリクエストできるんだけど」「むしろそれ全部、僕が知りたかったことなんですけど、新人には教えてくれないけど、お偉方には事務所の総力を挙げて作るんですね、なるほど」、等々と頭の中で愚痴とか毒とかがぐるぐると渦巻く中、Aさんたちとりあえずメールで、こういう情報が入っている書類とかないですか、と聞きまくる。

でも、みんな忙しいし、そもそも休暇とか外出とか会議で、なかなか返事が返ってこない。返ってきたとしてもその資料が何を意味していて、どこを見ればいいかわからないことも多い。表の見方もよくわからない。でも時間は差し迫っているということで、無茶苦茶焦りながら、最後は、全然カバーできてないことはわかりつつ、もうここが気力・体力・知識的に限界ということで、火曜日の23時35分に提出。
これを単に無茶ぶりというのか、無謀というのかはよくわからないけれど、まあ大変だった。大変だったけれど、このおかげで、超短期間で、今まで見たことがなかった資料を手に入れたり(そもそもそういうものがあることすら知らなかったり)、知らなかった知識を手に入れて自分なりに整理したり、知識として点と点として知っていたものが線でつながったりしたので、良しとする。これがすべて計画された愛のムチなのか、単なる無茶なのかは神のみぞ知る。

ちなみに最初はこれに、事務所としてのお偉方に対する発言要領も作れという指示だったのだけれど、さすがに、事務所として何を今伝えるべきかというのは、それなりに判断が必要。着任8営業日目のひよっこには任せられないと思ったのか、上司が引き取っていきました。そりゃそうだ。